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「小汚いですが、悪くない場所ですねぇ。しばらく根城にしましょうかぁ」
「他の奴らにもそう伝えておきます。それで市さん、次の狙いは何にします? 周辺のギャングにいくつか目星を付けておきましたが」
「いえ、次の狙いはたったの一人ですよぉ。たった一人で約一万の兵力が手に入るお得物件を先日街で見かけたので、恐怖の種を植え付けておきましたぁ。そろそろ刈り入れ時でしょう」
市はスーツの胸ポケットから写真を一枚抜き取ると、側近の男にそれを渡した。写っているのは――赤髪で童顔の女の子。
「ターゲットの名は綱刈きずな。てっとり早く済ませましょう」
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