たくさんの「好き」よりも

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この一ヵ月の間に、 仕事も周囲も徐々に変化していた。 麻紀は異動願が通り、 式より先に入籍を済ませて、 福岡で待っていた谷本君と新生活を始めていた。 式は五月で、私も出席予定だ。 2月16日付の異動では、 二年以上コンビを組んできた 三浦君とお別れすることになった。 「先輩、お世話になりました…」 三浦君は経企室での長すぎた修業をようやく終え、この度発足する新組織の一員として頑張っていくことになった。 「なんかお嫁に行くみたいだね、三浦君」 女の子みたいに涙ぐむ三浦君に吹き出した。
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