背徳と欲望

6/12
536人が本棚に入れています
本棚に追加
/226ページ
『あ……っ』 克幸が両手で亮二の腰を掴み、より密着させるように引き寄せる。 亮二は甘い声を上げた。 『あっ、兄上…ダメだって、俺たち兄弟だろ…』 「そんなの今更だろ」 克幸がくすりと笑い、亮二の顔を覗き込む。 「それに亮二だってもう我慢出来ないだろ?」 恥ずかしいことを言われて、亮二はびくびくと身悶えた。 「上の口は強情だが、ここは素直だよな」 『そんなこと……っ……』 克幸の手から逃れようとしたが、克幸は全てお見通しのようで、含み笑いをしながら更に弱い部分を探り始める。 『ダメだって、兄上……』 「ほら、素直になれ」 含み笑いを聞かされ。 抑えきれぬ欲情を求めてしまう。 『兄上……俺………っ』 観念し、亮二は克幸の首へ両腕を絡ませ、とうとう自分からせがんだのだった。  
/226ページ

最初のコメントを投稿しよう!