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「ここにいる。―――――は、魔王の手先である事が分かった。今までの事は全て演技、―――――は、魔王と協力し己の野望の為に魔王討伐を行っていた。あの奇跡の勝利さえ、演技の様な物だったのだ。」
国に帰った俺はすぐさま処刑台に連れて行かれた。周りの群衆は俺の事を『外道』『クズ』だのと罵声を浴びせ石や、ゴミを投げ付ける。
まるで、全てが計画通りかの様に事は進んでいる。
「この者の処刑を行う!!」
処刑台の上でこの国の将軍が叫ぶ。その将軍が俺の近くまでよってくるとこう言った。
『君は良くやってくれた、良い傀儡だった。だが、魔王を倒してしまったのは予想外だった』
魔王と繋がっていたのは国そのもの……この戦争を引き起こしたのは国、それだけで分かることがある。戦争は経済を豊かにする。
将軍が下卑た笑みを浮かべながらさらにこう言った。
『君1人を逝かすのは可愛そうだから、君の大切な彼等を先に送らせてもらたよ』
将軍が指でさした方向に目を向けると……
弟と妹の首が台の上に並べられていた。
俺の中の大切な何かが壊れた音がした。
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