離れていても #2

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「いやー、恵も弟との感動の再会を見せてくれるかなってさ。」 山田さんがニヤニヤ笑いながら言う。 私は、『感動の再会』という単語に顔が赤くなった。 「私のキャラじゃない。」 山田さんの言葉を一刀両断で、恵さんが切り捨てた。 木下さんが横で『うんうん』と頷くのが無性に可笑しくて私は笑ってしまった。 誠さんがそっと手を握り、私に優しく微笑む。 「彩。元気だったか?」 「うん。本当に驚いたよ、連絡くれればよかったのに。」 私の苦情に、誠さんは困った顔で言い辛そうにする。 「それが…。実は帰りの予定は明後日だったんだが、父から呼び出しが来たんだ。」 「お父さんから?」 「ああ。しかも彩も一緒にと言うから…迎えに来たんだ。」 「私も!?」 …誠さんのお父さんが私に何の用だろう。 …あまりの誠さんへの冷たさに、前回は喧嘩売っちゃったけど…今回は大丈夫だろうか。 強張った私の顔を見て、誠さんが安心させるように微笑む。 「大丈夫だよ。…父さんも彩のこと認めてるはずだから。」 「え?…そうなの?いつの間に?」 喧嘩売った以外に何かした覚えの無い私は、不思議に思って聞き返した。 「父さんも病院で彩のことをとても心配していた。あの様子なら、前回のようなことは言われないと思うが…まあ、とりあえず行ってみよう。」 「…うん。」 私は、緊張を胸に隠して頷いた。
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