2085人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
◇ #2
「ま、待って!」
バッグから取り出した財布から急いでお金をドライバーに渡す
待って、と差し止めた蓮見がきょとんとした顔でこちらを見ている
「ま、待って」
ぶぉーと、タクシーが走り去った音を確認すると、急に胸がドキドキしてきた
「あたし」
「耀子さん、無理しなくていいんですよ」
「――?」
無理?
私、無理してるの?
「僕が少々。無茶をしすぎましたよね?――反省してますから」
無茶?
反省?
「私。――は、……はすっ……」
「――だから、無理」
「ちがっ! きょっ、今日は――一緒に、いて」
熱い、恥ずかしい、やだ、どうしよう
最初のコメントを投稿しよう!