◇ #2

1/9
2085人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ

◇ #2

「ま、待って!」 バッグから取り出した財布から急いでお金をドライバーに渡す 待って、と差し止めた蓮見がきょとんとした顔でこちらを見ている 「ま、待って」 ぶぉーと、タクシーが走り去った音を確認すると、急に胸がドキドキしてきた 「あたし」 「耀子さん、無理しなくていいんですよ」 「――?」 無理? 私、無理してるの? 「僕が少々。無茶をしすぎましたよね?――反省してますから」 無茶? 反省? 「私。――は、……はすっ……」 「――だから、無理」 「ちがっ! きょっ、今日は――一緒に、いて」 熱い、恥ずかしい、やだ、どうしよう
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!