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~19章~ #2
「…百合ちゃん、小百合ちゃん?」
「えっ、あっ、周防さんすみません。ぼーっとしてて…あれ、課長は?」
「仕事があるとかで、新人君と部署に戻って行ったよ」
そう…なんだ…
はぁ、駄目だな私。
「お忙しいのにお待たせして、1階までお送りしますね」
会議室を出ようとすると、周防さんに腕を掴まれる。
「あの…どうかされました?」
「小百合ちゃん辛いだろうけど、翔のこと信じてやって。あいつ何考えてるかわからないけど、今の小百合ちゃんと同じ顔してる」
同じ顔…課長と私が??
「あいつも小百合ちゃんと同じ気持ちなんじゃないかな?俺はそう思う」
周防さんの顔は優しく微笑んでいて、その優しさに目頭が熱くなってくる。
「周防さん…ありがとうございます」
ほんと、見た目と中身が違うんだから…
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