Sweet 2

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◇◇ 今日の失敗は、最悪だ。 立ち直れない。 私は給湯室で泣きながらコーヒーを入れる。 昨日ちゃんと確認したつもりなのに、間違えるなんて最低だ。 部長さんは葉月さんの責任だと言ったけど、葉月さんは全然悪くない。全て私のミス。 トレイにコーヒーを載せ、給湯室を出る。企画部に戻り、一人づつ謝罪しながらコーヒーを配った。 「葉月さん…申し訳…」 「もういいから、気が散るから黙って」 謝罪すら聞いてくれないの。瞳を潤ませ、葉月さんに頭を下げた。 パチパチとパソコンを打つ音がし、ゴクンと喉の鳴る音がした。 お辞儀していた体を起こすと、葉月さんと目が合った。葉月さんの眉がピクンと上がる。やだな、美味しくなかったのかな。
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