Dear 12

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美生が美紅の口調を真似て、小さな手を合わせた。 「お願い社長さん」 「くくっ、美生にお願いされたら仕方ないな。じゃあ能力給で。能力給にしたら、給料ないかも」 「意地悪」 「いじわる」 「まるでオウムだな」 美生のおしゃまな口調に、俺の口元も自然に緩む。 俺達は毎日がこんな調子で。 この三年間、何事もなく幸せに暮らしてきた。 この幸せが、当たり前のように感じ始めていた。
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