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『ふふふっ。』 思わず笑みがこぼれた。  ニット帽の彼はずいぶん若そう。  いっちょ前に私の全身を舐める様にみている。 「はい、仕事です。じゃ失礼します。」 タバコを灰皿に押し付け、缶を捨てる。  「あ、待って!事務所どこ?連絡先教えて。」 そんな男の子を笑顔でかわし高尾幸の待つ控え室に向かった。 控え室に向かう廊下でも声をかけられた。  でも自惚れてはいけない。 自惚れてはいない。 所詮、外見だけに惑わされるヤツら。  だから私は更に気を引き締めた。
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