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東馬としまるは木に縛られている少女を親の仇を見るような目で睨むばかりだ。
『ミルカちゃん!私達、これからも一緒にいようね!!』
『何言ってんだ、俺の事は気にすんな!ダチだろ?俺ら!』
彼らの言葉は少女、ミルカの心にずっと残っていた。
『これはもしかしたら僕と入れ替わったこの娘(こ)の恨みかも知れない…』
少女はその時、あの時の過ちを懺悔する。
『ミルカちゃん、君は怒っているんだろ?惨めな僕と君の身体が入れ替わってしまった事を…』
ミルカの目には入れ替わった体は見当たらない。
入れ替わった体は麻里奈 拓広と言う惨めなクズ野郎で、クズオーラを撒き散らし誰からも馬鹿にされてきた哀れな男。
ミルカとその拓広は魂と体が入れ替わっていたのだ。
拓広の意思で…。
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