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朝霧さんは私をしばらく見つめていたかと思うと、ポケットから小さな箱を取り出して私に渡してきた。
「……え? これは?」
「開けてみて?」
「うん」
言われるがままに箱を開けると、そこには指輪が入っていた。
――!!
これ、もしかして……?
「きちんと君にもう一度言っておきたかったんだ。……舞さん、僕と結婚してほしい。僕はこの先も君とずっと一緒にいたいんだ。君の事が好きだから……」
朝霧さんの頬は赤い。
私は迷うことなく頷いた。
だって私も朝霧さんと気持ちは同じだもの。
「朝霧さん、私も……。私もこの先、あなたとずっと一緒にいたいです」
普通に話せるようになっていたはずなのに、この時ばかりは敬語が出てきてしまった。
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