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過去と現在 #2
外から部屋に明かりが点っているのが見え、俺のテンションは上がる。
駐車場に車を停めると足早にエレベーターに乗り、部屋へと向かった。
同じ鍵を開けるのでも部屋に咲穂が待っている分かっているのとでは違う。
子供の頃、プレゼントの包みを開けるときに感じたドキドキ似た感覚。
それは数少ない俺の幼少時代の忘れられない温かい思い出の一つ。
鍵を開け中に入るとすぐに良い匂いが空腹のお腹を刺激し、電気の点いた部屋にホッとする。
「ただいま」
俺が言うや否や奥から慌ただしい足音がしだす。
「おかえり!」
リビングのドアが開いたかと思うとエプロン姿の咲穂が姿を現し、笑顔で出迎えてくれた。
「ただいま」
久しぶりのせいか少し照れてしまった。
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