3人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
ー紅葉学院 剣道場ー
広々とした剣道場には、軽快に竹刀を打ち合う音だけが響いている。
ーパァーンッ
剣道部員(一)
「面あり、一本!勝者、桜花!!」
剣道部員(二)
「あ"~~~。やっぱ、負けたかぁ。マジ凄いって、桜花!『大会新』つくれそーなのに!」
『悔しさ』と『嬉しさ』が混ざったような声と表情で言い募り、自分を打ち負かした少女を見上げた。
剣道部員(一)
「………『出場』さえ出来ればね。『このまま』じゃ、到底無理だよね。」
桜花
「…………『超名門』と謳われた、我が紅葉学院剣道部が、まさか『部員不足』で、『廃部寸前』とはね……………。」
ーここ、私立紅葉学院(女子校)は、学業・運動共に『優秀な生徒』が集っている。
それ故、文化部・運動部関係なく、部活動にも、力を入れている。
だが、しかし。『五人以上でなければ、“部”として認められない』のだ。
『超名門』と名高き剣道部であったが、三年生が引退、卒業した今。部員三人の剣道部は、『廃部の憂き目』に遭っていた。
桜花
「まぁ、まだ決まったわけじゃない。新入生の新規入部に、賭けるしかないな。」
最初のコメントを投稿しよう!