Picky!Picky!Picky!

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第二Rのゴングが鳴る前に、 その場を平和的解決で収めようと目論む トアよりも先に、二人に詰め寄る。 「お前ら!いいかげんにしろよ!!」 二人の間に割って入り、両手を開いて待ったをかける。 鍛えた肺活筋で怒鳴りつけ、 龍の逆鱗に触れたことに、ようやく気付いた 二人の動きが、ぴたりと止まった。 すかさず二人の首根っこを掴み、 子猫を摘まみ出すようにして、 フローリングの床にポイっと放り投げる。 ワックスが塗られた床はよく滑る。 つるるるる~~。 「あらららら~・・・・」 成すがままに床を滑っていく二人を、 トアが嘆かわしく見つめている。 一瞬の出来事で、 何が起こったのか気づいていない二人に告げる。 「拳で決めんのか?違うだろ? バンドマンだったら、どうやって戦うんだよ?」 床にへたりこんだままの二人が、 仁王立ちの俺を呆然と見上げている。 いくら、 口で言ったとしても、こいつらには伝わらない。 彼らの視線を振り払うように背を向け、 長机の上に放置されている黒いショルダーバックから 楽譜の束を取り出した。 ・・・・・・・・これで、決着をつける。
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