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『1回目にプロポーズした人が断ったから私? バカにしないで!』
めぐみもそう言い放って出ていった。
疚しい気持ちもなければ、悪いことをしたつもりも全くないのに。
「心当たりないんですか?」
「全くない」
どんなに考えても答えなど出そうにない。
「社長、その『1回目』がヒントなんじゃないですか?」
いつの間にか俺の横に立っていた藤井が口を挟んだ。
「そういえば、『1回目にプロポーズした人が断ったから私? バカにしないで!』って言われた気がする」
「は?」
「は?」
流石夫婦、綺麗にそんなところまで息がピッタリだ。
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