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レイに菜々子を紹介したから分かるとは思うだろうけど、菜々子は変わった女だ。
彼女は、才能の無い僕を愛してくれた。
彼女には美貌も地位も名声もあったのに俺を選んでくれた。
何故だか分かるか？
レイのその鬱憤した表情を見たらあれだな、それならどうして彩愛と寝たのかって言いたいんだよな。
僕が愛してるのは、菜々子しかいない。そう言っておこう。
レイには僕の心理が分かるわけは無いし、分かりたいとも思わないだろ？
それと同じで、僕もレイに分かってほしいなんて微塵も思ってない。
確かに身体の関係を持つことは人にとっては不倫だって言うかもしれない。
僕はそう感じない。
だって、僕はアヤメに愛なんてものは持ってないし、感じたこともないからね。
アヤメが迫ってきたからそれに答えた。ただそれだけのことだ。
だから、レイが見た光景、行為に関しては何の意味もないものだったんだ。
絶望を味わうことで、キャンパスは真っ白く無地に変わる。
それに色付けるのはレイ次第だよ。
―――絶望のままで終わるな』
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