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ライブ #2
コンコンとドアをノックする音と同時に
「ヒロさん。そろそろ、動きましょうかー?」
と、スタッフらしき人の声。
気をつかってくれてるのかドアを開ける気配はない。
「わかった。今、行く!」
高杉が、横で大きな声で返事をした。
高杉は、ささっと残りの荷物をカバンにいれて持つと、
私に手を差し出した。
ソファーから立たせてくれたその手は、
私の手をしっかり握って、
つながった状態のまま楽屋を出ていく。
私たちが部屋から出ると、
ちょうど通路でカサスさんと智ちゃんも出てきたところだった。
カサスさんに、
がっちり腰を支えられて歩く智ちゃん。
智ちゃんの頬は上気して、ほんのり赤くなって、
ワンピースが少しだけ乱れてるのは、
気のせいじゃなさそう……。
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