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それを言われちゃうとなあ……
「わかってるけど…認めたくないとこもある……かな」
「パパコン」
「だって、そりゃあ多少は見映えがいいのは認めるけど、あの親父の何がよかったのかわからない」
「親父さん、カッコいいじゃねえか。生き方もだけど。皆に言われなかったのか?」
『カッコいい』ってアレが?
あのパパの寄生虫のようなアレが?
「でも、そう言えば昔―――」
そう、子どもの頃かな。
運動会の保護者リレーだったかな。
いつも俺に意地悪するヤツの父親が、パパと親父とは別のチームのアンカーだった。
「うちのパパ、元陸上部だったから、他のチームのアンカー達可哀想だよな」
ソイツは俺にそう言った。
だって、俺の親父がアンカーだったから。
「智博の親も気の毒だよな。うちのパパはめっちゃくちゃ速いんだから。県大会でも3位になったって言ってたからな。パパのチームの勝ちだよ」
始まりもしていないうちから得意気なソイツは、他の友達にも『智博の親なんてメじゃねえよ』とまで言っていた。
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