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ゆらゆらと相手が離れたのを確認してからズボンを上げる。
チャラ男を演出するためにベルトゆるめてたのが裏目に出たな…
「わ、悪い…その…」
振りかえるとみーくんはもじもじしていた。
「思ってたより腰細くて…そ、それに優真いいにおいがするんだな!」
どうしたのだろう、頭のどこかでも打ったのだろうか。
白い目で見るが、みーくんは腕に絡み付いて嬉しそうに話す。
「それに…ちょっと興奮した!」
なんてことを、言う。
「冗談はやめてよぉ」
はは、と平生を装い、乾いた笑いを漏らす。
心の中はものすごく動揺していた。
当たり前だ、こんなこと言われたのは初めてで。
チャラ男になりきっているはずなのに、どう反応したらいいのか分からない。
「優真!!」
ぐるぐると考えていると、名前を呼ばれ、ふいに自分が反応してしまったのがわかった。
みーくんは俺の頬をそっと両手でつつみ、背伸びをしてくる。
そしてなぜか、近づいてくる。
異様なほど近づいてきてーー
「え、ちょっ…! ん…っ!」
不意討ちのキスをしてみせた。
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