2四玉まで

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ふと時計に目を向けると、現在時刻は1時を少し過ぎたところ。 私はため息混じりに、道場のガラス戸の外に目を向けた。 「たまちゃん! 来てよ、次僕の番でしょ?」 「あ、ごめん、お待たせ!」 私は視線をカズくんに戻すと、駒を盤上に並べ出した。 その時、パチンパチンというこの空間独特の音に混じって、扉の開く鈍い音がした。 日曜日のこの時間……。 それは彼が来たという合図だ。 「おぉ、来たか!今日は負けないぞ」 彼に気付き、常連さんも大きく笑う。 (やっぱり、今日も来たか……) 私は内心ぼやくと、最後の駒を並べたカズくんに向かって、「よろしくお願いします」と頭を下げた。
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