ルト・サヴィエル

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「ルト兄ー! ご飯まだー!?」  そう言いながら、子供が元気に台所に駆け込んで来た。台所は狭い空間で、そう何人も入れる空間ではない。せいぜい大人三人がいいところだ。  その台所では、黒髪の少女と、青髪短髪で藍眼の男、つまり俺が料理をしている最中。 「もうちょっと待ってな、もうすぐだ」 「テオも手伝いなよ!」  俺の横で手伝ってくれている少女が、駆け込んで来た少年、テオにそう言う。 「う、うるさいヒメリ! 俺は忙しいんだ」 「ふーん、遊ぶのが?」  皿を何枚も抱えて、ヒメリはテオを訝しがるような目で見る。ちなみに、ヒメリは十一歳、テオは十歳だ。 「喧嘩はよくないの、仲良くするの」 「あ、スーお姉ちゃんだ! おかえりなさい!」  ヒメリが台所にひょこっと顔を出したスーを見て微笑む。スーもそれに笑顔で応えた。  緑色の長い綺麗な髪に、目も緑色。いつもおっとりとした表情で、顔立ちは整っている方と捉えていいだろう。  スーにはいつも買い出しを頼んでいて、今日も食材の調達だとかそんな所で、今帰ってきた。 「ただいまなの。ルト、カレーは出来たの?」 「ん? あぁ、もう盛りつけるだけだ」 「分かったの。テオ、皆を呼んで来るの」 「分かった!」  スーに言われて、再び元気にテオは台所を飛び出して行った。 「ヒメリ、盛りつけるぞ。スーは先に食堂行ってていいぞ」 「オッケー、ルト兄」 「分かったなの、任せるの」  スーは調理場から出て行き、俺とヒメリはカレーを人数分注ぎ、食堂に運んだ。
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