第一章 大失恋のその後で

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   勝也は何も言えなくなった。  そして、固まったまま動かない。それが、偏見のある証拠。  前もって言ってたなら、絶対に付き合えていなかった。 「とにかくバイト以外で、しばらくの間は会わないようにしてくれ」  勝也は、逃げるようにして部屋を出ていく。  部屋に取り残された私は、ソファーから動けなくなって気が付いたら泣いてた。 「終わっちゃったかな……」  一週間、考えたくらいで決められる事じゃ無かった。  その時は、そのくらいの考えで終わってた。失恋はしたけど、自分の考え方が浅かったで済んでる。  次の日、バイトに行った。  それで私の考えが浅はかだったと、すぐに気付かされる。  事務所に入って挨拶をしても、誰も返事してくれない。それどころか、色々な感情を含めた視線を投げ掛けてくる。  軽蔑、好奇心、侮辱、興味本意、憐れみ、お情け。  そんな目だった。
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