唐繰屋敷

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…白衣の男が包帯を空洞から取り出すと長かった筈の包帯は短くなっていた…〝正常に作動している…蓋をしろ〟…そう白衣の男が指示を出すと、汚らしい男達は運んできた蓋を床にある空洞へ被せるように置こうとする…その置く瞬間、空洞の内部が見える…空洞の下底には1本のレバー…そこでビジョンは終了する。 「…はぁ…はぁ…」 錆ついた蓋に触れながら息を切らす煌。 「湊さん、大丈夫ですか?」 「大丈夫だ」 心配しながら声をかける隆弘…煌はゆっくりと立ち上がった。 「何か見えましたか?」 「ああ。…この蓋の下に円形の穴と、その穴の下底に1本のレバーが見えた」 政樹の質問に煌は答える。 「1本のレバー?そのレバーはどんな役割を?」 「どのような役割をしているかまでは解からなかったが、この蓋を開けても大丈夫な筈だ。…隆弘、そっちを持ち上げてくれ」 聞き返す政樹…煌は答えながら蓋の取っ手部分を両手で握った。
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