quatrieme//カトリイェーム

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あれから俺は、何をするのも少しゆっくりな気がする。 身が入っていないと言うのが正解かもしれないが。 俺は、冴羽 慎太郎。今だにサイトに入ったりはするが、小説を書いたりする気力はまだ戻らない。ハンドルネームはNEEDという。 ファンの子たちには悪い気がして、何行かは打つんだが。 気が乗らなくて、パソコンを閉じてしまう。 それは良い事ではないのだが。 どうも。な。 夜行が逝った時から、何だか術者としても勢いがない。 あの時までは、やってやるって気がしていたんだが。 それはそうだよな。 俺の目標は夜行を守る事だったのだから。 それが永遠に達せないと分かってしまった以上、やる気は起きないのが普通だろう? 夜行がやった事はおおむね術者たちには受け入れられたが、一部では断行過ぎると批判が上がっているらしい。 自分たちがやる気もなかったくせに何を言っているのかと、俺なんかは呆れているがね。 術者の世界も少し混乱しはじめている。 もちろん今までだって、仲良く手を繋いでやっていた訳じゃない。 派閥もあるし、仲違いもしていた。 それが表に出て来たというか。 …夜行がいなくなったから、俺が代表的な術者だぜって、名乗るやつが増えたって言うか。 四天王だとか、十二神将だとか。 そんな名前をうそぶく奴らが出張って来たのも、事実在る訳だが。 話を聞いても、お粗末な限りだ。 夜行と比べるなんて話にもならない。 術が偏った奴らがたくさん集まってそれを補う事はいいさ。 俺だって何でもできる訳じゃないし。 だけどそいつらが、やたらと夜行の事を批判するのはどうも。 聞き捨てならないって言うか。 …腹が立つって言うか。 居ない奴の事を、あからさまに蔑む奴を俺は信用できない。 まあ。それだけだけどさ。 今だに夜行の話は、術者の世界では沢山話されていて。その噂話は留まる事を知らない。 居なくなってからそんな話が出るって。 随分と怖がられていたんだな、夜行?
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