Recipe.03

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  「はるは、……友達だ」 無防備に甘えてくるはる。 つまり、アイツにとって俺が無防備に甘えられる存在ってヤツで。 ソレを奪うのだけは、ご免だ。 「公隆。前の彼女と別れて、どれ位だっけ?」 「あ?……1年、半、だけど」 「それの所為じゃねぇの?」 突然の慎の言葉に首を傾げる。 「彼女つくれば、解決すんじゃねぇ?それ」 「……彼女?」 「彼女居ねぇから、余計な事考えるんじゃねぇの?」 …………、欲求不満か?俺。 「彼女、か」 「誰か居ねぇの?」 「……あー」 口では言いつつも、そう言えば、最近、あんまり考えた事自体、無かったな。 「職場とか、さ」 「職場、か」 あー、そっか。 彼女をつくれば、はるをこんな目で見ずに済むのか?? 「オレは、公隆とはるがくっつく事には賛成なんだけど、」 「っ、」 「公隆が嫌なら、まぁ、仕様がないし」 嫌なのは、はると付き合う事じゃねぇよ!! 「はると、一生友達で居たいんなら、……彼女つくれば?」 「その彼女、可哀想な気もすっけど」 「何だよ?それ」 「無自覚なのが怖いよな?」 「うん」 だから、何がだよ! 「彼女、な」 「とりあえず、……これ、もう一本開けていい?」 「好きにしろ」 なるほど、な。 確かに、彼女が居れば、……はるを裏切る事も、はるから奪う事も無い。 今迄通り、ちゃんと純粋な友情を築いていける。 [Next]
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