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何故、そんなことを知っているの?
「…もしか…して」
……助けてくれたのも?
ハッとなって、重い身体を起こそうとすると、「無理をするな」とベッドに肩を押し付けられた。
「どうにも抑制がきかなくて、気を失うほどに抱き潰しちまった。…悪かったと思ってる」
上から覆い被され、長い前髪がサラ…ッと清潔な匂いを零す。
その香りがフワリと鼻先を掠めた瞬間、璃桜は怒りが込み上げてくるのを感じた。
「…そのことは謝っても、私を騙したことや乱暴したことは謝らないんですか? 」
「騙す…?」
近過ぎる薄茶の瞳の光彩が、光を含んだように揺らめいた。
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