駆け落ち

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「お母さん、月はね……」 「優陽、何も言わんでええがでよ! お母さんは何も聞かんき。それに月君、あんたの事情は知らんけど、帰る家がないならここにいつまでもおってかまんがで? とにかく気ぃだけは使わんでえいきね?」 「ありがとうございます」 お母さんのその言葉に、月が嬉しそうに立ち上がった。 背の高い月が立ち上がったものだから、お母さんが驚いている。 ……ってお母さんの言葉は、ちゃんと理解したのだろうか? 「月君はスタイルえいがやね~! でも男の子がおる間に色々やってもらいたい事があったがやき、かまんやったら、頼んでもええかえ?」 「はい! 何でもいいですよ! だってオレ、居候なんで」 月が力んでそう返事したので、私は可笑しくて噴出した。
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