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冷たくて、暗い
ぼんやりした意識の中、女の人が珠華と名前を呼ぶのが聞こえた。
でも、何故だか頭がぼーっとして何も考えられない。
遠くにぼんやりした、優しい灯火が見える
私は無意識に手を伸ばすーーーーー
「珠華!!」
ああ、灯火はみんなだったんだ。
「おはよ。」
「もう、おはよちゃうで。
…いつまで寝てんねや、ぼけ。」
久々に入ってきた光に目を細め、そして見事に全員がそろっていることに気づいた。
「何で皆いるの?」
少しづつ欠けている人もいるけれど、こんなに勢揃いしているのはあの日以来だ。
「平助が、珠華が目を覚まさないとか変な誤解を招くようなこと言うからさ。」
総司が笑ってる。
でも作り笑顔。
それは総司だけじゃない。
皆笑ってるけど、ぎこちない。
心配させたなと思い、大丈夫なところを見せようと思った。
だから体を起こそうとした。
そうしたら、皆に大丈夫だよって伝えれる
なのに、どうして。
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