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「じゃあ、仕事にもどろうか」
パンくずを処理した私は、事務机の椅子に手を掛け、それを引っ張り出す。
早めに上がるためには、若干立て込んでいる在庫管理表の処理を効率良くやらないといけない。
チラッと見た係長は、まだ少し苛々しているのか、いつもの三割増しで眉間にシワが寄ったまま。
仕事は立て込んでいる。
ベテランパートの英美さんは、まだぎっくり腰でスタメン落ち。
加えて、私はいつもより早く上がる。
段取りが狂う事を一番嫌がる人は、多分、今、物凄い速さで仕事の段取りを組み直しているんだろうけど…………。
「……先輩」
席に座る私の後頭部にぶつかる小さな声。
「え?」
「あ……いえ。もし手が足りないなら言ってくださいね~?今日はそんなに忙しく無いんで!」
ニコリと笑った新谷ちゃんは、軽く会釈をするとススッと席に戻って行った。
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