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「誕生日おめでとう…だい…」
持っていたプレゼントをお菓子の横に置き、しゃがんで手を合わせた。
だい、僕はずっと…君がいないと僕は生きていけないと、そう思ってた。だけど僕ね?強くなったんだ。入院もしなくなったし、おかしくなることもなくなったよ。ゆとやりょうが、僕をずっと助けてくれているから。
気持ちがだいから離れたわけじゃない。今でもずっと、世界で一番だいが好きだよ。これは絶対に、僕の中で変わることはない。
「ありがとうね、だい」
だいの名前が削られたそれに、そっと触れる。やっぱりだいが死んでしまった事実はまだちょっぴり受け入れられなくて、涙が出た。
「…はぁっ…」
僕は誓ったんだ。だいと一緒に幸せになるんだって。だいはいなくなってしまったけれど、ずっとそばにいてくれる。きっと。
「また会おうね、だい」
ゴシゴシと目を拭いて、僕は微笑む。ここは僕とだいの待ち合わせ場所だ。これからもずっと。
「行って来ます」
ばいばいなんて、言わないからね。プレゼントを掴み、僕は2人の元へ走って行った。
((行ってらっしゃい。ゆうり))
END
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