第1章

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地球とは一億光年ほど離れた場所にある惑星。 そこの惑星は、20XX年にできたとされている。 なぜ、そんな惑星が突如、現れたのか? 答えは簡単だ。 そこに、異能者。 つまり、能力者が生息しているのだ。 その惑星には齢二十歳の女王と、二十八になる従者、そして、年齢不詳の神様。それを支える妻、それから、地球人、が暮らしている。 だが、決して平和的な日常とは言い難い。 もしも、スリル満点の場所はどこだ?と聞かれれば、間違いなくここだと答えられる。 なぜならば、そこには……。 生も死も超越してしまったパラレルワールド。 いわゆる、幻と現実のはざまにあるブラック・ホールのような場所なのだから。 さぁ、覗いてみよう。 非日常的なファンタスティックな日常を。 彼らにとってそれは普遍的なことなのですから……。 ―――普通ってなんですか? 少女の声は誰にも届かず、闇に消え。 ―――どうしたら、みんな私を愛してくれるの? 少女は叫ぶ。 ただ、悲しくて。 ただ、悔しくて。 ―――少しだけ、能力ーちからーが使えるだけなのに。 “異常者”  “異能者” “気持ち悪い” だから、少女は創り上げた。 自分が逃げ込める唯一の居場所。 自分の能力が認められる世界を。 自分が自分らしく生きられる場所を。 「神様、いるのなら叶えてください」 少女は雨の日に願う。 ずぶ濡れになるのも厭わずに。 「私の願いを叶えてください」 まるで、答えるように雨足が強くなる。 少女は、濡れてべたついた髪も、べったりと張り付いた服の不快感も、 気にせずに。 少女は願う。 世界を創りたいと。 こんな世界で生きるより別世界で生きたほうがいい、と。 天界でも、暇な神は少女の願いを聞いていた。 突如、現れた人間の能力化。 一部の人間だけで、まだ、有名ではないので。迫害や差別を受けることは容易に想像できるだろう。
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