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「勇はブレないな、イケメンが嫌いなとことか」
「正明もイケメンだからなー、ハーレム作ってないから嫌いではないけどさ」
「僕は色んな人にイケメンって言われるけど、なんでモテないんだろ……」
「オタクだからだろ」
本人は隠れてオタクをしているつもりだが、アニメのキャラクターの下敷きを持ってきてTシャツを学校で着ている時点で、ちょっと一線を引かれている。
「勇は鋭いな、いつ、僕がオタクだと気づいていた?」
「いや、俺以外も気づいてるだろ、アニメのキャラクターのTシャツ着るとか、普通恥ずかしくて無理だろ。それに授業中にアニメのこと考えてて呟いてるの気づいてないのか?だから、成績悪いんだな」
「なん……だと……」
俺の席と正明の席は一番後ろで窓際、隣同士だ。俺の聴覚だと普通に呟いてることを聞き取れるし、キャラクターの絵が書かれてある消しゴムや筆箱を使ってる時点で皆気づいてるんだと思う。
つまり残念なイケメンなのである。
俺は教科書を鞄に入れると正明に声を掛ける。
「まあ、そんなことはいい。準備も終わったし帰ろうか」
「そうだね、帰ろう」
二人で教室を出ようとしたが、扉が開かない。
「は?なんで扉が開かないんだ?」
「勇、勇、あれ!」
正明が指を指す方向を見る、窓の方を見ると外が赤くなっているのが見える。
この現象見たことがある。
これは三年前見た異世界へ召喚されるときに見た現象だ、空が赤くなったと思ったら、俺は光に包まれて異世界に召喚された。
「……最悪だ」
俺の言葉を最後に俺達は光に包まれた。
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