第一章 「何か重なる日だっ!!」

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 俺は連休期間内ではエンディングを迎えられなかったゲームを、昨晩からほぼ徹夜に近い状態で攻略していたのだから、まだ多少の眠気がある。見間違いってことも否定できない。今一度、確認をしなおそう。  一度扉を閉めて、再び開けて――  うぅ、やっぱり見えるよ~。  俺の眠気は完全に吹き飛んだ。  しかし俺が間違って他人の下駄箱を開けた可能性も十分ある訳だ。ここはひとつ確実にいこうじゃないか。  俺は再び扉を閉め下駄箱の名札を指差し確認する。  うんうん、【2-5-1 逢空京介】って書いてあるよ。やっぱり俺の下駄箱だぁ。なんか頬が緩んじまうよ。  ちなみに俺の名前は<あいぞら けいすけ>だ。京介と書いて<けいすけ>って読む。初対面の人には必ずってほど<きょうすけ>と呼ばれるが、その度に俺は訂正しなければならない。うちの親も面倒くさい名前をつけてくれたものだ。
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