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王国、七貴族と呼ばれる王族の次に権力を持つ貴族の一つ
光を司るシャイン家は異様な緊張感に包まれていた
ある部屋の前で行ったり来たりを繰り返す中年は、しきりに部屋の中を気にしている
そして……
赤ん坊の泣き声が聞こえて来たと同時に中年は部屋へ突入した
「無事か!!」
叫びながら入る中年に苦笑しながら、汗だくな美女が答えた
「えぇ、元気な双子ですよ」
お湯で綺麗に洗われている双子
どうやら男女の双子のようだ
「よくやった!」
中年は綺麗になり、布でくるまれている赤ん坊を受け取り、嬉しそうであった
「男の子はカイン、女の子はクレアだ」
「いい名前だわ」
こうして、シャイン家に新たな家族が誕生したのだった
そして、双子はすくすくと成長した
よたよた歩く頃には性格も現れ、妹のクレアは活発に動き回り、子供らしく遊び
兄のカインは大人を困らせることなく、様々な本を読み始め、神童と呼ばれていた
クレアは父親に似て、金色の髪とブルーの目をした美幼女
カインは父親にも母親にも似ず、銀に近い灰色の髪と目をしていた
だからだろうか、父親はカインと馴れ合うことをせず、使用人達もどこか気味悪がっていた
子供らしくない行動も、それに拍車をかけていたようだ
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