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夕べの並木道、麗月の三日月の姿は消え去り、いつもの朝日と並木道の樹々の影が交差する道を歩く。 昨日の光景では無く、いつもの朝の姿に変わっているから、私の気持ちは少しだけ軽くなる。 でも駅が見えて近づくと、心臓の鼓動が鳴り響いて、 喉が渇いて、指も震えて、上手く呼吸が出来ない・・ どんどん鼓動が激しくなって、俯きながら歩く。 でもハスキーがかった、あの声にも呼び止められないし、駅のコンコースにも、改札にも彼の姿は・・無かった。 私を待ってなかった。 会いたくないと思いながら、なんで彼が待っているって期待するんだろう。 まだ自分の中の何処かに、彼を信じて期待しているんだって思ったら、無意識に下唇を噛んでいた。 泣かない。大丈夫・・。 自分に励ましながら改札を抜けて、ホームへ向かったが、 ホームに降りる階段を見て、足が竦んだ。 きっと彼はホームにはいるはず・・。
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