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「それ、誉め言葉じゃないだろ」
「言わないよりマシよ」
あーぁ、今日は喧嘩を吹っ掛けるの、止めようって思ってたんだけどな。
なかなか上手くいかないもんだ。
「綺麗だよ。似合ってる」
余りにもストレートな言葉に、パチクリと瞬きを繰り返していると、真っ赤になった壱哉に腕を引かれた。
「そこで黙んなよっ!余計恥ずかしいだろ!」
「いや、ビックリして。壱哉でもお世辞を言えるとは」
ずんずん進む壱哉に、置いていかれ無いように、急いで着いていく。
あのね、あたしが浴衣で下駄って忘れてません?
てか、そろそろ手を…………
「お世辞なんか言えねぇよ」
「はぁ?」
「本当にそう思ったんだ」
今度は真顔で、なんつー恥ずかしい事を……
こっちが赤面しちゃうじゃないかっ!
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