10、私の恋を知ってください

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「それ、誉め言葉じゃないだろ」 「言わないよりマシよ」 あーぁ、今日は喧嘩を吹っ掛けるの、止めようって思ってたんだけどな。 なかなか上手くいかないもんだ。 「綺麗だよ。似合ってる」 余りにもストレートな言葉に、パチクリと瞬きを繰り返していると、真っ赤になった壱哉に腕を引かれた。 「そこで黙んなよっ!余計恥ずかしいだろ!」 「いや、ビックリして。壱哉でもお世辞を言えるとは」 ずんずん進む壱哉に、置いていかれ無いように、急いで着いていく。 あのね、あたしが浴衣で下駄って忘れてません? てか、そろそろ手を………… 「お世辞なんか言えねぇよ」 「はぁ?」 「本当にそう思ったんだ」 今度は真顔で、なんつー恥ずかしい事を…… こっちが赤面しちゃうじゃないかっ!
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