プロローグ

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そんなわたしの小学生時代の悩み事といったら、クラス内でトラブルに合うたび、白い花が生けられた花瓶を机の上に置かれることだった。 そのトラブル自体が結構な頻度であったから、それはそれは悩んでいた。 こんなわたしだから、お隣さんじゃなかったら玉岡くんとはまったく関わることがなかっただろうなって思う。 実際、同じ子どもとあれば誰とでも無邪気に遊んでいた時期を過ぎて、わたしと玉岡くんは居合わせたら簡単に挨拶を交わす程度の間柄になっていた。 はずなのに……。 「でも、一ヶ丘に決まって私安心してますの。主人が憧れていたところだし、何より朝子ちゃんがついてくれるでしょう?」 「まぁ、そんな。むしろ朝子がご迷惑をおかけしないか」
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