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「おはようございます。
ちょっと遅くなってスイマセン」
「おはよう。ひなちゃん。
手伝ってくれて助かるよ。
とりあえずそこの食器洗ってくれるかな」
「はーい」
流し台の横に重ねられている食器を手に取った。
ここにたどり着いたのは昨日の夕方のこと。
騒がしい街から離れ、
電車とバスを乗り継いで、
2時間半。
初めてのひとり旅。
ちょっとドキドキしながら、やってきたのは、
おばさん夫婦がやっている、
大自然の中にあるペンション。
大きなスキー場が目の前だから
冬はスキー客でいっぱいで、
予約を取るのも難しいらしいんだけど、
夏は、避暑にくる家族連れやカップルがチラホラ。
週末やお盆じゃないと、
満室になることもないらしくて、
私が泊らせてもらってるのも、
住み込みのバイト用の部屋じゃなくて、
ちゃんとした客室だったりする。
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