ボクの好きな人へ

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暗い部屋の中で、ボクは、今できる最速のスピードでパソコンを動かしていた。 いつもよりも指先が動かないな――そう思いながら、少しずつ進んできたこの感覚を自分で笑ってしまった。 別に、今に始まったことじゃない。 こうなることはずいぶん前に分かってたし。 カタ、カタと一文字ずつ打っていく。 これを読んだとき、アイツはどんなことを思うだろうか。 怒るだろうか、恨むだろうか。 それでもいいや、ボクは自己チューなんだから。 すでに体中を気だるい重さが纏わりついている。濡れているわけでもないのに服すら重く感じる。 早く、早く。ゆっくり急げ。 矛盾を頭にボクは必死だった。 「もう少し、あと少し。これを残さないと、眠るに眠れないんだから」 言い聞かせるようにして、ボクは指を動かした。
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