829人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「ねぇ…依頼人って、男?女?」
千夏も黒髪男に尋ねる。
「女…」
「「やっぱり…」」
黒髪男がボソッと言うと、藤沢さんと千夏が同時に呟いた。
女の人か…
やっぱり、将さんのことが好きな人なのかな…?
「名前は?」
今度は藤沢さんが尋ねた。
「知らね」
「じゃあ、どんな見た目?」
「うーん…髪が肩くらいで、目がつり目ぎみの目つきのキツイ女」
それって…
「「瀬里奈だ!」」
また、藤沢さんと千夏が声を合わせる。
「垣内、あいつ…
あんだけ釘刺しておいたのに、文香に手を出してくるなんて…
心底バカなんだな…」
将さんは、眉間にシワを寄せ、苦々しい顔で溜息をついた。
「きっと、夏合宿で恥かかされたのを根に持ってたのよ」
「だから、瀬里奈はプライド高いからって言っただろ!?」
千夏と藤沢さんも瀬里奈さんだと断定している。
でも、ホントに依頼人は瀬里奈さんなのかな?
・
最初のコメントを投稿しよう!