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とうとう彼女は堪えられず泣き出してしまった。
「すいません、ずけずけと立ち入った事を聞いてしまって」
「いえ、いいんです。こちらこそ、みっともない所を見せてしまって」
その後、適当に自転車を眺める振りをして、あの河原に景壱は戻った。
「忘れてたんだね」
「そうみたい。ここに捨てられてた兄ちゃんの自転車を見付けて、川に落ちたんだ」
自分が死んだ事を話すのは気持ちいい物ではないのだろう。剛は悲しそうな顔をしている。
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