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「……諦めるよ。でも、兄ちゃんにこれだけは伝えて。自転車無くしてごめん、て」
そう言う剛の顔は、とても残念そうで、悲しそうな顔であった。
「未練がまだ残っている様だが仕方ない。では、旅立つ準備をしようか。私がなんとかして成仏させよう。少しの間だが世話になったな」
剛の手を握り夕日に背を向け、何処かに行こうとする。
「待って下さい」
悠を景壱が呼び止める。
「どうした? なにか有るのか」
「もう一日、待って下さい。見つからないかもしれないけど、俺、探したいんです」
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