自転車

27/30
2963人が本棚に入れています
本棚に追加
/369ページ
「剛は僕を恨んでる。僕の所為で死んじゃったから」 花を供えていたのは、許してもらいたかったからなんだろうな、と景壱は考えていた。 「剛君は恨んでないよ」 「何で分かるんだよ!」 「だって、ここに居るから」 景壱は悠に連れられた剛を指で差した。 「見えるの? 剛、何て言ってる?」 半信半疑の様子で、将弥は景壱に尋ねる。 「自分で聞いてみて」 将弥と剛の手を景壱が握る。 「剛! ごめん。僕の所為で」 剛の姿が見えたのか、将弥は、そこに向かって頭を下げる。 「兄ちゃんの所為じゃないよ」
/369ページ

最初のコメントを投稿しよう!