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翌日、悠に連れられ景壱は昨日の河原の下流に行き、自転車と、それにしがみつく遺体を見付けた。
それは大分傷んでいたが剛の遺体だった。景壱には剛が兄の自転車を無くさないように守ってる様に見えた。
一応警察を呼び、事情を話したりするだけで、日が半分も暮れていた。
「剛、思い出せて良かったですね」
ぽつり、と景壱が言う。
「ああ、お陰で成仏させる事が出来た」
悠も心なしか嬉しそうである。
「良かった」
短い言葉だが、その中には景壱の中の嬉しさが、ありったけ詰まっていた。
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