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まさか追いかけてはこないだろうと思いながらも
エレベーターを待つのが怖くなって、
非常階段を駆け下りすぐ右手にあった化粧室に入った。
ここなら入ってこられない、と妙な安心感を得た後、
胸に両手をあてがい呼吸を整えるのに努める。
「…」
乱れた鼓動がなかなか正常に戻らない。
一体、さっきのは何だったのだろう。
あたしは眉根を寄せ、
鏡の中の自分に答えの出ない答えを必死に聞いた。
そんなこんなで
常務とあたしの出会いは
互いの心に不穏の影を落とした。
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