神聖祭2日目。

10/29
13984人が本棚に入れています
本棚に追加
/845ページ
人間が絶滅の危機に面した時、この魔法陣を使い立ち向かえ。 その言葉を信じ、人間は魔族に見つからない様に魔法陣を完成させた。 そして、1人の人間が呼び出された。 事態を聞いた青年は、すぐにルシファー討伐を引き受けた。 その青年を、勇敢な者、勇気ある者…勇者と讃えた。 彼は今まで使っていた魔法より更に強力な魔法を編み出し、新たな属性魔法までをも生み出した。 それを伝え、力を付けていった人間達は魔族へと立ち向かう。 今まで勝てなかった魔物、魔虫に勝てる様になり…そして最終的には悪魔と恐れられた堕天使達にも打ち勝つことが出来るまでになっていった。 だが、魔族の王…魔王と呼ばれたルシファーには勝てなかった。 多くの人間が死んだ。 大きな傷を負った勇者は、最後の力を振り絞り…ルシファーを封印。 2度と人間界には来れない様に、と厳重に、強力な封印をした。 ルシファーを失った堕天使達は地獄へと引き返し、長く続いた戦いは幕を閉じた。 魔物、魔人、魔虫。これらの生き物は人間の住処より離れ、森で住む様になり 人間界には再び平穏が訪れた。 文献を解読したアビーの名は瞬く間に世界へと広がり、人類史上最大の戦いも、知れ渡った。 パーシーはこれ以上ないくらいの幸せを感じ、友の快挙を喜んだ。 それでも、アビーの口から出た言葉は 『こんな事で喜んでいてはダメだよパーシー!僕の知りたい事は、まだ何も知れてないじゃないか!』 何も納得していない強い言葉だった。 『これはただの歴史に過ぎない。俺が知りたいのは、もっと深いものだよ』 パーシーは驚いた。こんなに大きなことを成し遂げて尚、まだ求めるその言葉に。 栄光に見向きもしない彼を、研究者の鏡だと尊敬した。
/845ページ

最初のコメントを投稿しよう!