第3話

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週一位で会社帰りご飯を食べて帰るのが習慣になっていた。 2人の時もあるし、小川が混ざる時もある。 「羽山暑くないの?ワイシャツ長袖で」 「半袖好きじゃない」 「えー!?」 小川がオーバーリアクションをとっている時、頼んだビールがやってきた。 「串盛りとたこわさで」 「たこわさ2 つ」 「え?わければ良くない?」 「良くない」 「…………」 店員が注文を繰り返して去った後、小川はカツッとグラスをあててきた。 「木崎さんはまだかかるって?」 「うん」 「最近羽山達と飲んでるって同期に話したら、羨ましがられちゃった」 「何で」 「木崎さんいるから」 「…………」 「愛想良い訳じゃないのになんか人気あるよね」 頬杖をつきながらビールを飲む小川は既に眠そうだ。 「興味本位だろ」 「え?」 「自分の知らない物事を他人が知っていたら気安く感じない?」 「……そう?」 「ライオンがいたら触る?」 「触らないよ」 何言ってんの?と小川は顔をしかめた。 「じゃあ俺が触ってたら?」 「…………」 「『あ、大丈夫かも』ってならない?」 「……なる」 「そういう事」 「どういう事?魅惑の果実って事?」 「…………は?」
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