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「そういえばさ、お前、生徒たちからなんて呼ばれてるか知ってる?」
「え?」
突然の卓人からの質問に、答えられず首を傾げていると。
「東峰の小悪魔。」
「…は?」
東峰は、あたし達が勤めてる高校の名前だ。
「多分、あいつらの妄想の中で、お前めちゃくちゃにされてるんじゃない?」
お味噌汁を啜りながら、なんてことを言うの、この人。
唖然として言葉を発せずにいたあたしに卓人は更に言う。
「計算してんだか天然なんだか分からないけど、可愛さの中に見え隠れするエロさがいいんだと。」
「え、エロさ……?」
「そ。色気とも言うな。10代のガキには、たまんないんだろうな。ウチ、女子いないし。」
そう。
女子がいないことで、あたしや他の若い女の先生は注目を浴びがちなのは確か。
「そんな話、卓人にするんだ、生徒たち。」
「そりゃな。俺、これでも人望あるし。」
「……。」
「こら。なんでそこで黙るんだよ。」
本当に?、と訝しんだ視線を送ったのがバレて、ジロッと睨まれた。
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