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儂は姿を消した理由を責める気にはなれなかった。
再び出逢った彼女の残された命の期限はもう僅かだったからだ。
そして、その3か月後に彼女はこの世を去った。
小さな赤ん坊を遺して―――
大きな病気と小さな命。
儂には彼女の選んだ生き方を否定することはできなかった。
残された赤ん坊は彼女の叔母が引き取った。
万が一、その叔母に何かがあれば認知をした儂がすべてにおいて責任を追うと約束した。
そして、その叔母から彼女を託された―――
「桐生、おまえには知る権利がある。誰が真琴の父親なのか」
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